めりはり

昔々、とても内気なメリーさんと、
声が大きくマッチョなハリーくんがコンビを組んだところ、
その対照的なキャラの漫才が大受けだった!
それが、「めりはり」の語源になったという・・・

はい、誰もつっこんでくれないので、
そのまま行きまーす。



今回の挿し絵の仕事では、
「めりはりが大切!」
と、編集のKさんも言っておられた。
ぼくも、技術面では最大のテーマだと思っている。

風間完さんの絵を突然思い出したのも、
ある種フシギなことだったが、
もうひとつ、
本棚からたまたま出てきたのが、コレだったりするのは、
神がかり的な感じもする。

コレとは、「木を植えた男」(ジャン・ジオノ作/フレデリック・バック絵)である。
こんな本があるのも忘れていたというのに。

10年ほど前に、ある知人から頂いた本であった。
が、アニメーションを先に見ていたので、
同じ内容だろうと思い、ほとんど中を読むこともなく、
埋もれさせていたのだった・・・。

改めて読んでみた。
やはり物語は同じなのだけれど(あたりまえか)、
所々に絵が入っていて、絵本に近い。
アニメーションと同じ絵だと思うが、
動かない分、じっくりと味わえるのがいい。
(パステル画に見えるが、色鉛筆を使用しているらしい)

まさに「めりはり」の見本のような絵。
リアルに描き込む部分と、省いて想像に任せる部分の、めりはり。
くっきりとぼんやりの、めりはり。
光と影の、めりはり。
静と動の、めりはり。

もちろん、
ぼくの絵とバックさんの絵では、
天と地ほども差があるのは、承知の上で、だ。
ああいう絵を描きたい。
目標にしたい。
理想は、高い方がいい。

いい時期に再会できたと思う。





Honesty  Billy Joel
by tobelune | 2013-04-24 08:08 | イラストレーション | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話! とべるね画伯も活躍。


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