宝探し 03

ぼくは、Y先生の一番の思い出を語りました。

「先生が、チャップリンのお話をしてくれはったんです。
授業中に。それが、すごく心に残っていて・・・
二十歳の頃に、チャップリン映画のリバイバルがあって、たくさん見ました。
これが、先生の言うてはったチャップリンか・・・って思って。
本当にありがたかったです。教えてもらって良かったです(笑)」

そう話しましたら、先生が本棚から何か持って来て、
「これ、あげるから、読んでみなさい」
それは、「チャップリン自伝」の文庫本、上下巻2冊でした。
背の部分が別の紙で補強されており、先生の字でタイトルが書いてあったり。
フクロウの絵の蔵書印が押してあったり。
「こんな大切なもん、だめですよ? もらえませんよ」
「ええから。持って帰りなさい」

先生というのは、本当にありがたい存在だと、しみじみ思いました。
イチゴのケーキとコーヒーと、メロンまで美味しくいただいて、
そして夕方、退散しました。
「先生、握手させてください。ありがとうございました。
次の絵本が出来たら、送りますから」



その夜は、Tくんと二人で飲みました。
彼の職場のある伊丹空港の近くで飲んで・・・
なんか、酔った勢いで、絵本のポリシーを熱く語ってしまった(苦笑)。
ビジネスホテルに泊まったのですが、
明日のことを思うと、興奮してなかなか眠れないのでありました。


つづく





放課後の音楽室   GONTITI
by tobelune | 2014-08-13 07:07 | 旅るね | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話! とべるね画伯も活躍。


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