ほやを食す

東京では滅多に見ない「ほや」を、近所のスーパーで見つけ、
即、買って来た。
水でパンパンにふくらんだ円筒形ビニール袋に、
ほやの半切りが5、6個入って、300円程度。安い。
珍しいのに安いのは、好きな人が東京では少ないのだろう。

刺身で、しょうゆをつけて食べる。
貝のような食感、独特の苦みと、かすかな甘み・・・
だが、やはり気仙沼で食べたほやの味ではない。
当たり前だけど、穫れたてのほやは、もっともっと旨味がある。



ぼくは、ほやが好きだ。
ほやを食べると、気仙沼にある妻の実家の茶の間が、浮かんでくるのだ。
初めてほやを見たときの光景。
結婚したばかりの頃、道子ちゃんが、
「ほや、食べてみる?」
と聞くので、好奇心につられて、うなずいた。

実際に見ると、なんとも奇妙な形の生き物で・・・
殻をむいて、オレンジ色の切り身になって出されても、
やはりちょっと、腰が引けるものであった。

けれど、これを食べることで家族の一員になれるような気がして(笑)、
内心ドキドキだったが、平気を装って、えいやっと口に入れた。
そしたら、意外に美味しいのだった。
「あ、苦いけど、美味しい!」
心から、そう言えて、ほんと良かった〜。あはは。



あの日のことが、よみがえる。
ほやも、タイムマシンなのだなあ・・・。

そういえば、気仙沼のキャラクター「ホヤぼーや」というのがいて、
けっこう可愛くて、お気に入りである。
他のゆるキャラより、ずっと可愛いと思うのは、
身びいきというものだろうか?





Garota De Ipanema
by tobelune | 2015-05-23 04:15 | たべるね | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話! とべるね画伯も活躍。


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