古本を探して 4

今、絵本を読んで、ほろりとしたのです。
この気持ちが拡散しないうちに、急いで書きます。

「うたうしじみ」(児島なおみ)
たしか、ずう〜〜っと前に図書館で借りて読んだ記憶がある。
けれど、すっかり忘れていました。
なんか、ふっと読みたくなって、取り寄せました。

魔女が、夕食にと買ってきたしじみ。
水をはったボールの中で、プチプチといびきをかいて、
安心しきって眠るしじみを見て、食べるのに躊躇する魔女。
「同情したらあかんよ」というネコのトラジも、
やはり、いざとなると、しじみをナベに放り込めない(笑)。
しじみたちとの奇妙な生活が始まる。
やがて、しじみたちを海に帰そうと思い立つのですが・・・。

この、か細いペンによるユーモラスな線が、たまりません。
魔女とネコのやりとりにクスッと静かに笑いながら、
いつのまにか、こちらまで、しじみたちが愛おしくなってきて・・・
幸せなエンディングに、ほろりとしました。
しみじみとあたたかい。

かくれた名作という感じです。
絵本作りに必要なのは、こういう「やさしい気持ち」と、
「ユーモアのセンス」なのかなって思います。
図書館ででも見つけたら、ぜひ読んでみてください。




















by tobelune | 2015-11-24 15:27 | えほん | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話! とべるね画伯も活躍。


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