絵本会議007

くりゅ「まだ、ボーゼンとしてるようやけど?」
くる「うん・・・ぼくな、気づいてしもうたんや」
「何んです?」
「根っこにあったモノを思い出したん・・」
「え?」
「道子ちゃんがいなくなって、最初はその悲しみを描こうとして・・」
「うん、ストレートに表現しました」
「その次には、道子ちゃんがいた時の幸せな暮らしを、絵本に残そうとした」
「それが、「あたしのサンドイッチ」やね」
「つまり、ぼくの絵本の根っこにあるのは、道子ちゃんの喪失ということやねん」
「それは・・そうやけど?」
「皮肉な事やけど。彼女がいなくなったから、久保晶太が生まれてきて、
絵本を作り始めたということやろ? 
もしも、彼女が元気なままで、幸せな生活が続いていたら?
ぼくは絵本をやってないかも・・・」

「そんなことは・・わからんけど・・・
もしもの話をしても、しょうがないやろ?」
「うん。ただ、そこが根っこであること、忘れたらアカンと思うわけ。
そんでな・・・」
「うん、それで?」
「これからやりたいのは、ズバリ、「生と死」をテーマにした絵本やねん」
「おおー、やっぱり、そこへ行き着くんやね・・・うわあ・・・
あえて、今、その難しいテーマに挑もうと?」
「そう、今なら、もっとうまく描けそうな気がするねん。ていうか、
オレが描かなきゃ、ダレが描くねん?! て感じで(笑)」
「おお、強気やねー。ええやん、ええやん(笑)」

つづく
























by tobelune | 2016-02-13 13:20 | えほん | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話! とべるね画伯も活躍。


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