絵本会議008

「くりゅくりゅです。さて、根っこの確認もできて、やりたいことも
はっきりして参りました」
「くるくるです。「生と死」を語った絵本、これまでにも沢山出てるよね。
たとえば、「わすれられないおくりもの」とか・・」
「ありますね、けっこう。「ずーっとずっとだいすきだよ」とか、「ぶた
ばあちゃん」とか、バーニンガムの「おじいちゃん」とか、ね」
「名作と呼ばれるものも多いやん。けどな、それでも・・
ぼくが本当に悲しくて泣き暮らしていた時期、ぼくを慰め、救ってくれるような
本は、どこにもなかった・・・」

「いやー、それはでも、本当に悲しい時は、本も読まれへんのとちゃう?」
「うん、それはそう。けど、少し落ち着いてきた頃、街に出て、
書店で「悲しい本」ていう絵本を見つけて開いてみたけど・・・」
「どうでした?」
「なんちゅうか、ピンと来なかったのは覚えてる」
「あれはたしか、息子を亡くして悲しんでいる父の話やったと思います」
「うん。でも、なんやろ? 父親の心情がね、どうも伝わって来なくて・・・
人ごとでしかなかったような・・・?」
「共感できなかったワケやね」
「うまく言えません・・・外国の本ってこともあるのかも?
あの有名な「いつでも会える」もね、目をつむれば、いつでも会えるって、
そんな簡単に立ち直れるもんやないやろって・・・思ってしまうねん」

「むずかしいね」
「むずかしい。重すぎるのはごめんだし、でも軽すぎると共感できない」
「いろんなタイプのそういう絵本があって、そこから人それぞれで、
自分の共感できるものを探せれば・・うまく出会えれば、心がふっと軽くなる
ことも、あるかも知れないよね」
「うんうん。・・・絵本会議らしくなってる?」
「なってる、なってる(笑)」

つづく























by tobelune | 2016-02-14 13:50 | えほん | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話! とべるね画伯も活躍。


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