絵本を抱えて

これが、偶然なのか必然だったのか、それは知らない。
古本屋さんで、出会った一冊の本。

「絵本を抱えて 部屋のすみへ」江國香織(新潮文庫)
タイトルに妙に引かれて、本棚から抜き出す。
表紙の透明感のある写真に「あ、いいな♡」とページを開く。
絵本にまつわるエッセイ集。カラーの図版がたくさん入っているのが、うれしい。
これが、たったの108円である。なんということ!!

読み始めると止まらない。
なんていうか・・・
絵本のガイドブックの類いはけっこう読んでいるけど、
これほど的確に絵本を語っているモノは、今までになかったように思う。
よほど、子ども時代の絵本体験が豊かだったに違いない。

たとえば、ディック・ブルーナの絵本によせて書かれたページは、こんな風に始まる。
『端正、という言葉を知ったのはだいぶ大きくなってからだけれど、言葉を知るより
ずっと以前に、私は端正を知っていた。ブルーナの絵本だ。』
この2行だけで、(おお〜! なるほど!)と、うなずいてしまう。

さらに、私の知らない絵本もたくさん出てくる。
そのどれもが、魅力一杯に語られていて・・・もう、たまらない。
次から次から、読んでみたくなるのだ。
(実際、何冊かは即、アマゾンで注文した! 笑)

これは、絵本の案内書として、おすすめの一冊だな。
巻末の山本容子さんとの対談も深くて、良い。




















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by tobelune | 2017-03-05 00:21 | えほん | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話! とべるね画伯も活躍。


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