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とべるくんのぼうけん02

「ちょっとでてくるね。すぐもどるからね?」
おかあさんは そういって、でかけました。

いえのなかには、とべるくんひとり。
いえ、こねこのミーがいました。
でも、へやはがらんとしています。
たたみって、こんなにひろかったかなー?

ふすまをあけてみると、ミシンがありました。
おかあさんが あしでふむと、カタカタうごくミシン。
おもしろそう。
ちかづいてみると、ちいさな まるくてひかる、
ぎんいろの いとまきがありました。
しろやくろや あかいいとが、まかれています。

さわってみたい。
ちょっとだけ いとをひっぱってみたい。
すぐもどせば、ばれないよ。
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ぎんのいとまきを、てにとります。
あかいいとを ひっぱってみる。
するするする。
いとは、のびる。
するするする。
どこまでものびる。

なんておもしろい!
あ、でも、まいて もどさなくちゃ。
おかあちゃんが かえるまえに。

ところが。
いとは、きれいに まけません。
とべるくんが ちゃんとやってるのに、
いとは、ぐにゃぐにゃするのです。いじわるです。
ぐじゃぐじゃの わやわやです。

どうしよう?
できないよ〜。
どうしよう?

いまにも おかあさん、かえってきそうです。
ごやごやのまま、いとまきを おいて、
ふすまをしめました。
いまのは、なかったことにしよう。


「ただいま〜」
おかあさんです。かえってきました。
とべるくんは、もう、どきどきです。
おかあちゃんに みつかりませんように・・・。

「あれ?
 ミシンさわった?」
おかあさんが、ききます。
「ううん、しらない・・」
とべるくん、くびをよこにふります。
でも、なんだか なきそうになるのです。
どうしよう。
うそだって わかるにきまってる。
しかられる。


おかあさんは、じっと とべるくんのめをみつめていましたが、
そのまま すっと、ふすまがしまりました。

あれ?
おかあちゃん、しからない?
なんで?
うそついたのに。

おかあちゃん、ごめんね。
とべるくんのきもちは、
あの いとまきと、おんなじでした。
ずっとずっと、
いつまでも、わやわやのごやごやだったのです。

つづく


素直になれなくて  シカゴ
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by tobelune | 2012-03-31 00:02 | 子どものころ | Comments(2)

とべるくんのぼうけん01

とべるくんは、3にんきょうだいのすえっこでした。

おねえさんは、うまれるとき、
おかあさんから「ちえのほし」をもらってうまれました。
おにいさんは、
おかあさんから「げんきのほし」をもらってうまれました。
そして、すえっこのとべるくんは、
おかあさんから、なにをもらったでしょう?
それは、「ゆめみるほし」でした。

おねえさんは、おりこうさん。
おにいさんは、かけっこがはやい。
とべるくんは、ただの おとなしいこ。

でもでも、とべるくんは、
あたまのなかで、いろんなゆめをみれるのです。
とべるくんには、とおくへとんでゆける、
みえないつばさがあったのです。
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つづく


You can fly
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by tobelune | 2012-03-30 00:09 | 子どものころ | Comments(2)
「子どものころを忘れないで」と言ったのは、たしか、
ケストナーさんだったかな?
「エーミールと探偵たち」で有名な、あのケストナーさん。

絵本作家の資質として大切なのは、
「感受性の豊かさ」は、もちろんとして、
この「子どもの心を忘れない」も必須だと思うのです。

とはいえ、それが出来れば苦労はしない。
99.9%、大人は子どもの心を忘れてしまうでしょう・・。
ピーターパンのままでは、生きてゆけないから。

そこで、少しでも子どもの心を取り戻す努力が必要。
いえ、むずかしいことではありません。
自分の子ども時代を思い出すことです。

どんな子どもで、どんなコトを考えていたか?
どんな遊びをして、どんな友達がいたか?
なるべく細かいエピソードを思い出してみる。
何が、うれしかったか?
何が、悲しかったか?
大人になってから思えば、ばかみたいなコトも、
子どもの自分には、ほんとに大事だったり、真剣だったり。

たとえば、
ぼくは、忍者にあこがれていました(笑)。
忍者は「シュギョウ」が大事なので、雨の日にも、
傘をささずに歩きました。
鍛えていたワケですが、他の子から
「あいつ、カサもってるのにさしてない・・変なヤツ〜」
と笑われてるのを感じながらも、修行してました。アハハ。
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はずかしい思い出です。
本人は、大マジメなんだけどね・・・。

こんな所にも、えほんが生まれるヒントがあるかも知れません。



コんガらガっち
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by tobelune | 2012-03-29 03:54 | えほん | Comments(2)

えほんファイル012

「ふとんかいすいよく」 山下明生作 渡辺洋二絵

文章の多い物語えほん。
父ちゃんとカズくんの、二人の空想海水浴。
こんな親子でありたいと思った。
この父ちゃんは、子どもの前で虚勢を張らない。
本音で向き合うところがいい。絆を感じる。
部屋の中が海になってしまうというムズカシイ設定を、
渡辺さんの絵はうま〜く表現している。
ざっくりした絵がマッチしている。
2Cのページと4Cのページ、効果的に使い分けていて、すごい!

ぜひ、ご一読を。


 
切手のないおくりもの  小野リサ
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by tobelune | 2012-03-28 11:55 | えほん | Comments(0)

ぶっきらぼう

朝のこと。
「ゴッ」と音がする。ドアの音?
なんだか分からないが、それきりなので放っておく。
20分くらいして、また、「コン」とドアが鳴る。
ノックなのか?

耳をすますと、「コン」とか「ゴン」とか、
音はしだいに遠くなってゆく。
どうやら、一軒ずつドアをノックして回っているらしい。
何者?
セールスや勧誘にしては、朝早い時間なのである。

「変な奴だなあ・・」
ノックするのって、コンコンと2回するよね、ふつう。
(ぼくなんかは、3回したりする)
「コン」と1回きりのノックなんて、
石つぶてを投げつけられたようだ。
ぶっきらぼう過ぎて、とても出る気にはなれない。
ろくなヤツじゃあるまい。

そういえば、思い出した。
以前、若い女のコが、電話するのに、
「もしー?」と、やっていたっけ。
「もしもし」じゃなくて、「もしー?」。
そこを略して、どんだけのメリットがあるんだろう?
笑えた。

言葉は、2回くり返すとやさしくなる。
「こら」より「こらこら」の方が、柔らかい。
「よし」より「よしよし」の方が、やさしい。

ノックも同じだろうと思うのだけど。


というわけで、やっぱりコレ。
ノックは3回  ドーン
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by tobelune | 2012-03-27 11:46 | その他 | Comments(0)

公募こぼれ話12

つづきです。
キャラクターの不運は、それはそれとして。
副賞の「イタリア・地中海の旅」の話をします。

「え? そんなの行ったって話、聞いてないよ?」
という声が聞こえて来そうです。
はい、そうです、行ってませんです。

なにしろ、「ペアでご招待」なのです。
じゃ、夫婦で行くとして、子どもはどうするの? ですよね。
それに、海外旅行をしたことがなかったので、
「外国はこわい」というイメージがありました(苦笑)。
言葉も通じない所で、もし危険な目に遭ったら・・・
妻や小さい子を守れる自信がない。

で、図々しくも、スポンサーさんに相談する。
「国内旅行でもいいので、親子3人で行けるツアーに
 変えられませんか?」
そうしたら、
「予算以内であれば、コースや人数の変更は可能です」
と言ってもらえたのである。よかった〜。

で、妻と相談の結果、
親子3人と彼女の父母、合計5人で行く沖縄の旅、
4泊5日、沖縄フリープランとなったのでした!

沖縄は、これが3度目。
新婚旅行で行ったのが最初で、沖縄ファンになる。
次が、その半年後に、プレゼントで沖縄旅行が当たる!
そして、今回もただで行けるというワケで、なんともうれしい!

1997年5月にみんなで行く。
道子は、親孝行できてうれしそうだった。
沖縄本島の真ん中あたり、恩納村にあるきれいなホテル、
かりゆしビーチリゾートに泊まり、レンタカーであちこち回った。
万座毛、沖縄記念公園、名護自然動植物公園、
首里城、琉球村などなど。
でも、浜辺や磯で熱帯魚や貝やカニを探して歩いたのが、
一番楽しい思い出だったように思う。
沖縄の真っ白い砂をビンにつめて、持ち帰る。

これが、ぼくたちの黄金時代だった。


「花」  やなわらばー

オジー自慢のオリオンビール  BEGIN
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by tobelune | 2012-03-26 03:14 | 思い出 | Comments(2)

公募こぼれ話11

つづきです。
大阪フェスティバルゲートという遊園地が新しくできるらしく、
マスコットキャラクターを募集していた。
海中都市のイメージだという話なので、半魚人のキャラを作る。
それが、大賞に選ばれたのだった。
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「タラッタ」と名付けられる。
ギリシャ語で、「海」の意味らしいです。

ところが、実際に使われているキャラを見たら、がっくり。
似ていて非なるもの。かわいくない・・・。
なんで、こうなる?
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公募は、いわば、賞金と引き換えに版権を渡してしまうワケなので、
どんな使われ方をされても、どんなアレンジをされても、
文句は言えないのでした。
大阪のどこかのデザイナーさんが作ってたのであろうけど、
「オレにやらせてくれたらいいのに」
と、何度思ったことでしょう。実に、歯がゆい。

思えば、悲運のキャラクターであった。
1997年に開業した、この遊園地、
「そのうち行ってみよう」と思いつつ、のびのびになってしまって。
10年後に、なんと閉園してしまったのである。
ア然・・・結局、一度も行かないまま。

第三セクター方式の経営が、いい加減だったとかなんとか、
そんなことが原因だったらしい。
けして、キャラクターのせいではございません(笑)。

つづく


My Sweet Lord  George Harrison
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by tobelune | 2012-03-25 04:45 | 思い出 | Comments(0)

公募こぼれ話10

「捨てる神あれば拾う神あり」と、ことわざにあるように、
ある公募でボツにされた作品が、別の公募で賞を取る!
なんてことも、あります。
どのキャラクターがそうだったとは言いませんけどね(笑)。

和歌山県のあるデザイン公募で銀賞を頂いた。
その表彰式に招かれたのは、1997年の新年早々であった。
クジラのマスコットを描いたのが入賞したのであるが、
今回は、その話ではない。

表彰式から東京に帰ってきたら、ポストにいっぱいの
年賀状に混じって、一通の速達が。
「なんだろう?」と見ると、
大阪フェスティバルゲートという遊園地のキャラクターの公募で、
ぼくの作品が大賞を頂いたという通知である!!

「やった〜〜〜!!」
連続しての入賞とは、なんという幸運。
思わず、妻と抱き合って喜ぶ。
賞金は、なんと、50万円!
さらにさらに、イタリア・地中海の旅、ペアでご招待とある。
びび、びっくり〜〜〜〜!!!
こいつぁ〜春から、チョン、あ、エンギがいいわい〜♪

つづく


喜びの世界  スリードッグナイト
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by tobelune | 2012-03-24 00:52 | 思い出 | Comments(0)

えほんファイル011

「めっきらもっきら どおんどん」 長谷川摂子作 ふりや なな画

この絵本は息子が大好きで、もう何回読んだことか。
たしか、保育園仲間の友人からプレゼントされたのだった。

でたらめの歌がキッカケで、異世界に入ってしまう男の子。
3人のおばけが飛んできて、いっしょに遊ぼうという。
ちょっと不気味さもあるファンタジー。
おばけが、子どもみたいな性格で面白い。
「こわいもの見たさ」で、何度も読みたくなる。
素朴な絵がいい。可愛らしすぎないのが、いい。
表紙の影絵も、象徴的。

「でたらめな歌と言いつつ、実は深い意味がある」らしいと
人から聞いたが・・・?



カモメのジョナサンより Skybird  ニール・ダイアモンド
さあ、飛んでみましょう!
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by tobelune | 2012-03-23 00:05 | えほん | Comments(2)

えほんファイル010

「すえっこ おおかみ」 ラリー・デーン・ブリマー文
           ホセ・アルエゴ&アリアンヌ・デューイ絵
           まさきるりこ訳

兄さんや姉さんのように上手に遊べない、末っ子のちびおおかみ。
けれど、父さんが「それでいいんだ」と言ってくれるので、
元気を取り戻す。
「こんな小さなどんぐりも、やがて大きな木になるんだよ」
ちょっと教訓ぽいのだけれど・・・
ちびおおかみの可愛さに負けるね〜。
跳んだり走ったり、ころがったりの動きの表現がユニークで笑える。
おすすめ!!


イージーライダー「ワイルドで行こう」
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by tobelune | 2012-03-22 03:54 | えほん | Comments(0)

 空好き、猫好き・・・絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話!


by tobelune