ギボウシのタイムマシン

道ばたのギボウシの花を見て、思い出がよみがえる。
あれは、12年前の夏?



道子ちゃんがいなくなって、すぐの夏だったように思う。
当時10歳の息子と買い物に行ったら、風船を配ってる人がいた。
息子が近寄ると、
「何色がいい?」と聞いてくれる。
息子はなぜか、白い風船を選んだ。父ちゃんの分と、2つもらえた。
それを自転車のハンドルに結びつけ、喜んで帰る。

ところが、家に着いて、子どもが糸をほどいたとたん、
風船は、すうーーっと舞い上がった。
「あっ!」
もう手が届かない・・・
ふたりでぼう然と、白い風船を見送った。
ふたつの風船は、小さく小さくなって青空に吸い込まれていった。

子どもをなぐさめようとして、ぼくは言った。
「きっと、お母ちゃんのところまで届いたかもね・・・」
家の脇に、ギボウシの薄紫の花がゆれていた。



息子は、あのときのこと、覚えているんだろうか。
きょうは、道子ちゃんの誕生日である。






Moon River   Diana Panton
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by tobelune | 2014-06-16 03:14 | 思い出 | Comments(0)

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