赤羽末吉さんに共感 3

共感してくれる人がいたので、調子に乗ってもうひとつ。
赤羽末吉さんのエッセイから引用します。



「つるにょうぼう」の時は、第二場面のツル女がよ平を訪れる重要な場面から
描きはじめた。(中略)しかし、準備ばんたんととのったのに、
二日も逡巡して筆が下ろせなかった。
恐いのである。
最初のでだしに失敗すると、心が安定しない。
角力と同じである。初日に負けると、勘がにぶる。
初めての紙、しばらく使ってない筆、そして墨絵というものは補修がきかない。
いったん筆を下ろしたら一気にかかねばならない。
それで恐いのである。
自分で自分をごまかして、二日もモジモジしている自分におかしくなって
苦笑した。

(中略)

私はナレだけでかく絵はすきではない。
絵というものは、一本一本の線はたどたどしても、心をこめてかくものだと思う。
(中略)完成度が高いことを尊ぶ風がある。
私などは、いい年をして、何時までもヨタヨタといろいろな仕事をしているのを
気にして、注意してくれる。(中略)
これは日本人は名人芸が好きなせいであろう。
私は月と自分とに一線をひいて、
一寸でも二寸でも月に近づいてこと終わるのが、この道だと思っている。
完成などはない。どこで終わってもよいのだ。



赤羽さんほどの人でも、やはり、描き始めるのが恐かったりするんですね。
なんか、ほっとしました。同じだなあって。
最初の一枚は、ほんと、勇気がいります。
ガチガチに固くなる。
そして、ぼくは大抵、一枚目は失敗するのです。わはは。
でも、それで緊張が和らいで、次から描けるようになる。
ピッチャーが、試合の最初の一球を、わざと大暴投したりする。
めちゃくちゃ思い切り投げることで、緊張をとっぱらう。
アレと同じかな。

「一寸でも二寸でも月に近づいてこと終わる」
いい言葉です。
赤羽師匠は、たしか50歳で絵本デビューした人で、
70歳で、「もっとも調子がのってきたところ」と書いておられる。
すごいなあ。
あやかりたいもんです。精進します。

おしまい






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by tobelune | 2014-06-24 07:31 | えほん | Comments(0)

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