2015年 10月 03日
青年は荒野をめざす 1
ひとりで行くんだ 幸せに背を向けて〜 ♪
(「青年は荒野をめざす」より)
この曲が好きだった。
流行っていたのは、高校生の頃だったろうか。
歌を口ずさみながら、
いつか故郷を離れて独り立ちする日を夢見ていた、あの頃・・・
二十歳を過ぎて、
「東京に行きたいんやけど」と切り出した時、
父は、少しの沈黙の後、ゆっくりと うなずいてくれた。
あの時、父は何を思ったのだろう・・・。
7月のある日、息子が唐突に言った。
「親父? オレ、年内に家を出るつもりだから。
早ければ10月・・・」
ああ、とうとう来たか・・・
いつか、この日が来るとは覚悟していたつもりだったけれど、
やはり、うろたえた。
「じゅ、10月って、すぐやん?!」・・・オロオロ(笑)。
「地方に行きたいんだ。
山のある所に住みたいと思って」
「地方って? どこだよ?」
つづく
by tobelune
| 2015-10-03 13:37
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