2016年 09月 12日
0点を取るんや
昨日のつづきです。
森田君と一緒だったのは、高校一年のとき。
クラスの男子は、いわゆる「優等生組」と「アホ組」と、
どちらでもないフツウの生徒の三つに分かれていました(笑)。
私は、成績はたぶん「中の上」あたりでしたが、アホ組に加わっていました。
優等生よりもアホの方が、人間的な魅力を感じたから。
アホ組は、成績の問題だけでなく、教師に反抗的な奴らです。
でも、本音で話せる「いい奴ら」でもあるのでした。
私はよく、先生に「友達を選びなさい」と言われましたが、
選んだ結果が、アホ組だったのです。
「先生は、彼らの良さを分かってない」
いつも、そう思っていました。
さて、森田君もアホ組のひとりです。
ある日、放課後だったのか、人の少ない教室で、森田君が歌をくちずさんで
いました。ビートルズの「Something」です。
私はふと、歌のさびの部分、エレキギターの音を口まねで参加しました。
「ペペレ ペッペンペーーン♪」
と、森田君が、意外そうにこっちを見て、ニッと笑ったのです。
「おぬし、やるな?」といった感じで。
心が通じ合えた瞬間でした。
その後でしたか、となりの席になったことがありました。
そして、ある日、数学の時間に事件は起きました。
先生が、抜き打ちテストをやると言うのです。
「ええ〜〜〜っっ!?」
クラス中が、どよめきます。
私も、頭をかかえて、
「うわ〜〜、やんなるなあ・・」とか、つぶやいたのでしょう。
となりの森田君が言うのです。
「へへ、そう言いながら、久保は、ええ点とるんやろ?
いつも、そうやって、オレらを裏切るもんな・・」
皮肉っぽい笑いを浮かべていました。
ショックでした。
え? そんなことを?
いつも、そういう目でオレを見ていたんか?
オレは、本当に仲間やと思っているのに・・・
動揺と興奮で、カアアと頭に血が上るのが分かります。
こんな、くやしいことって。
オレは、アホ組の裏切り者?
そんな・・
オレは、ちがう。裏切ったりしない。
だったら、見ていてくれ。
「オレ、このテスト、0点とる!」
つづく
*
by tobelune
| 2016-09-12 16:18
| 思い出
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