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0点を取るんや 2

つづきです。


オレは、仲間を裏切ったりしない。絶対にしない。
だから、
「オレ、0点とる!」

若気の至りと言いますか(笑)、それが誠意ってもんだろうと・・・
決意を固めたのです。
テスト用紙が配られました。
名前だけ記入して、あとは、問題を読もうともしませんでした。

驚いたのは、となりの森田君でした。
まさか、私がそこまでするとは思わなかったのか、
あるいは、私が、よほど悲しい目をしていたのかも知れません。
「すまん。オレが悪かった。
ちゃんとテスト受けてくれ、な?」

けれど、一度決心したものを変えられるわけがない。
「何をいまさら。こうなったら、絶対に0点とってやる!」
心で叫んでいました。
「すまんて。もう言わへんから。このとおり。
な? テストやってくれ、頼むワ」
小声で、何度も謝る森田君。
けれど、こっちにも意地ってもんがある。
右手の鉛筆は、完全に止まったまま。
白紙のテスト。
「いや、ほんまに分からんから、書けへんねん」
などと、とぼける私。

先生が通路を回ってきます。
横を通ります。
白紙のままのテストを見られる・・・
ドキドキしながらも、手で隠すこともせず、じっとうつむいていました。
顔が、赤くなっていたかも知れません。
正式なテストじゃないとはいえ、
生まれて初めて、0点をとるんだ・・・なんとも苦い思いでした。
時間が早く過ぎるのを祈るばかり。



ところが、奇跡が起きるのです。

教室を一周した先生が、ため息まじりに言いました。
「なんだか、みんな、出来てないねー(苦笑)・・・
きょうのテストは、中止にします」
ドワアア〜・・・教室中が、力抜けていきました。

ほっとしました。
やっぱり、0点は、欲しくないもの。そりゃあ、そうやん。
森田君も、苦笑い。
ああ、ほんと、先生のおかげで、助かりました。
幻の0点・・・



青春のひとコマですね。
ボウズ頭で、うっすらと口ひげ、大人っぽいけどクリクリ目の森田君。
どんな大人になってるかなあ?






















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by tobelune | 2016-09-13 07:03 | 思い出 | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話!


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