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つぎはぎズボンの少年

「ほれ。ひざにツギ当てたからな・・・もう、穴あけたらあかんで?」
母さんは、言います。
少年はいつも、ズボンの両ひざに穴をあけてしまうのです。
直径2cmくらいの丸い穴。
母さんはいつも、あきれながらツギを当ててくれるのでした。

どうして、ひざに穴があくのかと言うと・・・

少年は、「空想遊び」が大好きだったのです。
自分が動物になった世界を思い浮かべて、夢中で遊びます。
すると、体もじっとしていられないのです。
畳の部屋で四つん這いになって、あちらへこちらへと回ります。
それが、楽しくてしょうがない。
毎日そうやって、ひざをこすってしまうので、すぐに穴があくのです。

母さんに何度叱られても、どうしようもないのです。
少年は、鹿になったり狼になったりして、森を駆けるのですから。



やがて。少年は大人になりました。
あの、つぎはぎズボンの少年は、もういません。
「空想遊び」も、やめてしまいました。
あんなこと・・・あんなヘンなこと・・・大人は、しないよね?(笑)










いえ、ウソです。
さすがに、ひざをすって遊ぶのはやめましたが、「空想劇」はずっと続いて・・・
ずっとずっと続いて。
絵本の道へつながりました。
誰にも秘密にしていた、つぎはぎズボンの少年のお話。




















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by tobelune | 2017-08-30 15:01 | 子どものころ | Comments(0)

 空好き、猫好き、星も好き。 絵本画家 久保晶太の日常と制作ウラ話!


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